
一緒に笑いに来てほしい
まずは自己紹介をお願いします。
地元・大阪で歌う活動をしています、光永浩真(みつながこうま)です。
「こーま」って呼んでもらえると嬉しいです。
もうアラフィフで、音楽は歌うどころか全然聴いてすらこなかったのですが、
ひょんなきっかけから、2021年頃から興味本位で歌い始めました
また、「音楽ともに笑いを」をテーマにしていて、ライブでも聴いてほしいというよりかは、
一緒に笑いに来てほしいという思いのほうが強いです。
音楽活動を始めたきっかけについて教えてください。
2020年にシンガーソングライターのUruさんのことを知り、2022年のライブツアーで 全国何か所も参戦に回ったことがきっかけになりました。
2020年にUruさんの歌声に出会ったとき、どんな気持ちになりましたか?
2020年10月に、コロナで仕事が激減しており時間を持て余すようになっていて、
言葉悪いですが暇つぶしに、公開初日だったという理由だけで観た映画「罪の声」
の主題歌を歌ってらしたのが、Uruさんでした。
ちょうどコロナで会社経営をしている自分にとっては、先行きがとても不安で、
でも今は辛く苦しくても、いつか必ず明るい未来が待っていると希望を持つことが
できました。
映画にも音楽にも興味がなかった自分が、それに救われるとは思いもしませんでした。
音楽にあまり興味がなかった頃と比べて、今のご自身の中でどんな変化がありましたか?
そもそも自分がLiveに行くなんて、以前ではあり得ないことでしたし、
そんな自分が、
毎日音楽を聴き、歌い、音楽に関しての情報をネット検索したりと、メンタル含め環境そのものが変わりました。
新たな生きがいが生まれたという感じです。

聴覚障害のある方にも音楽を届けたいという想いが生まれた背景を教えてください。
2022年のUruさんのライブツアーに、全国各地参戦した時、身体に障がいを抱えてらっしゃるお客様が非常に多いことがとても印象に残りました
Uruさんの歌声、楽曲がそういった方々に生きる希望を与えていることに気づくと同時に、耳が聴こえない人には、届かないんやろなぁと漠然とですが、そんな事を思いました
日が経つにつれ、耳が聴こえない人に音楽を届けたいという思いがだんだん強くなっていきました。
自分は音楽素人ですが、見てると演出だったり、歌ってる人は、衣装やったりパフォーマンスやったり、音以外の目に見えるところでも表現してるから、なんか方法はあるばずだと思ったのが、最初です。
「音を聴く」ではなく「音を感じる」という考え方について、どのように伝えていきたいですか?
最初、伝え方がわからないので、わからないんだったら、ろう者のかたに話を聞くのが一番だと思いました。
今はないのですが、以前、ろう者の人、もしくは聞こえづらい人が、スタッフとして働くカフェがあって、そのカフェは手話ができなくてもスタッフと筆談で話せるということで、直接話を聞くことができる機会が出来ました。
実際にLiveに行って楽しんでいる人もいるとのことで……
よくよく話しを聞いていくと、作為的に音を感じるようなことを作っていくより、目で見る情報をいかに多くすることが大事なんだなと思いました。
具体的には手話歌が思い浮かべるでしょうけど、それだけでなく、
ボーカルのエモーショナルなパフォーマンスや、楽器を弾いてる人の仕草も重要だと…。
またろう者の方は、Liveに行く時には、予め歌われる曲をリサーチしておいて、歌詞を把握してから参戦する必要があるようでしたので、
その必要もないようにディスプレイで歌詞を流せるようにするとか、さらにはセットリストを事前に公開しておくとか、
業界の通説にはないようなことも含めて、
様々な工夫が必要かと思います。
手話歌、ボーカリスト•楽器演者のパフォーマンス、歌詞の視覚化、
よく考えてみると、健常者もテレビだと、
聴いて、映像を観て、歌詞テロップを読んでと3つの情報を得て楽しんでいるので、
それに出来るだけ近い状況を作れば良いかと。
その他、どうしていけば良いか、ろう者の方々に話しを聞きながら一緒に作り上げていけたらいいなと思います。
ご自身の中で大切にしている“音楽観”や“表現の軸”はどんなものでしょうか?
音楽は、本来誰かをジャッジしたりするようなものではなくて、人が人とが繋れたり、自分を解放したりする場であって、身分や性別や年上、年下、関係なく皆が平等、フラットな場であると思っています。
もちろん、障がい者のかたにも同じ思いです。
ステージや歌唱の際に、意識している表情・動き・伝え方など、ご自身ならではの表現方法があれば教えてください。
先程も言いましたが、自分の歌を聴いて欲しいというよりかは、時には一緒に歌いながら、皆さんと共に楽しめたらという気持ちでステージに立っています。
2024年に、家の近くの体育館で、SuperflyさんがLiveに来るというんで、これはと思い行ってみたんです。
歌ってる時に小さな身体いっぱいで歌を表現されていて、表情が豊かで、バラードでも手振り身振りのパフォーマンス、さらには花束を持ちながら歌い、それをお客様にプレゼントするというサプライズまでついていて、元気いっぱいのLiveだったんです
やっぱりLiveはお客様と一体となってつくり上げていくものだなと思いました。
それは、音のない世界に生きる人々であったとしても、同じようにしていけたらなと思います。
自分にとって、Liveの主役は自分ではなくその場にいるお客様です!
自分は、Liveの主役はお客様だと思っていて、歌いながらお客様の近くまで行って、ハイタッチやグータッチしたり、Superflyさんのようにいきませんが、聴いてくれる人に歌いながらちょっとしたプレゼントを渡したりすることもあります。
数は少なくても、だからこそ聴いてくれる、お客様は大切にしていきたいとの思いがあります。
最近は歌い終わった後、手話でも「ありがとう」と言っているんです。
誰も気づいてはいませんけどね(笑)

音楽を届けるうえで、どんな人たちと関わりながら活動されていますか? また、その中で印象に残っている出会いや出来事はありますか?
今は、各イベントで、知り合った同じような境遇の方々と、共に音楽活動をしています。
自分にとっては先輩のかたばかりなので、音楽に関することを教わったりして、関わる皆さんから刺激をもらっているところです。
今後オリジナル曲を制作される際に、どんなメッセージや世界観を表現したいと考えていますか?
障がいの有無は関係なく、みんながフラットに楽しめるような楽曲作りが出来たらいいなと思います。
ろう者のお話を聞いていると、障害者保護法ができて、以前より社会的な理解は深まっているとのことでした。
しかし、健常者が現実リアルの世界で障害を負っている人(ろう者ではない人も)を目にしたときに、それを違う目で
見ている人がいたりすることも、これまで幾度となく目の当たりにしてきました。
普段思っていることと現実の世界のギャップがあったり、違うものを見るとどうしても
違和感を感じてしまうということもあるのかもしれません。
でも人はみな違っていて当たり前ですから、自分とは違う他人を受け入れることは、
生きていくうえでも大切なことだと思います。
それがまわりまわって差別のない平等な社会につながっていく、そういったことを
曲を通じて伝えられたらいいなと思います。
ろう者と健常者の壁を出来る限り突っ張らい、共に助け合い、共に笑い、共に歌い、音楽を楽しめる
というそんな場ができたらいいなと思います。
もっと言えば、世界のどこかでこの思いを共感してくださる方がいるのなら、
実際にこれを実現するのは、自分でなくても構わないと思っています。
経営者としての日々の経験が、音楽活動にどんな影響を与えていますか?
つまるところ、
相手側の視点に立ってものを考えていく点では、音楽活動も共通するところがあります。
特に自分の会社は従業員数人程度の会社ですが、
小さいからこそ、出来ることもあるんです。
もちろん出来ないことのほうが多いんですけど……
他社が目がいかない、魅力に感じない取引でも、自分達にとっては実は有益だったりします。
「ろう者の方々に音楽を届ける」ということは、
決して万人受けはしないかもしれませんが、社会貢献活動という点で、尊いことだと思います。
現地点で音楽をビジネスとして捉えていない自分だからこそ、そう思えるのかもしれません。
仕事と音楽、両方を続ける中で心がけているバランスや考え方があれば教えてください。
家庭もあり、仕事と音楽、ま、年中夢中に過ごしているわけですけど、
何もしない時間をつくるようにしています。
夏は仕事場がすごく暑いので、昼寝してから夕方の再開したり
長くはありませんが、何も考えずにボーっとする時間とっていて、そうことも必要だと思います。

オフの日や、リラックスしたいときはどんな過ごし方をされていますか?
仕事がない日は、音楽活動をしているので、オフらしいオフなないのですが、
毎日毎日、「なんかおもろいことあらへんかなぁ?」って思いながら過ごしてます(笑)
ご自身の中で「これが自分らしいな」と感じる瞬間は、どんな時ですか?
誰かの役に立とうとしている時です。
利害や損得感情がないものだと尚更です
仕事でも、ビジネス以前にまず相手側のお役に立つことをすることが大事だと思ってます。
互いがWin-win、Fifty-fiftyになれて、それでお役立てたならそれがベストです。
自分のためだけだと、命に関わることを除いて、動きが鈍くなる傾向にあります。
最後に、これから音楽を始めたい方や、夢を追いかけている方にメッセージをお願いします。
今の自分が、夢というより「出来たらいいな」ぐらいで肩に力を入れず楽しくやっていこうと 思っているので、言えることは少ないですが、過去の経験を元にお話しします。
これから音楽活動を始められる方にはまずは色んなことにチャレンジしてほしいです。 失敗したらどうしようとか自信がないとか、色々不安はあると思うんですが、 そもそもチャレンジした地点で良きも悪しも得ることのほうが大きいので、それはもう成功 でしかないのです。 他の人に何と思われようがかまわない、中には必ず自分のチカラになってくれる人がいるものです。 踏み出せばきっと新しい世界がそこには広がっているはずですから。
夢を追いかけている方には、結果にこだわりとことんまで取り組んでほしいと思います。 今だからこそできることもあったりします。 後になって「あの時こうしておけばよかった」と後悔がないように欲しいです。
また自分は応援される人になりたいと思っている反面、アクティブに活動してらっしゃる方を見ると応援したくなります。

光永浩真(みつながこうま)
地元・大阪で音楽活動をしています、光永浩真(みつながこうま)です。
耳の聞こえない、または聞こえづらい、聴覚障がい者(ろう者)の方々に音楽を届け楽しんでもらうことを目指して活動しています。
万博カラオケなど各イベント他、大阪のライブハウス、ストリートライブなど様々な場所で歌わせて頂いています。