
単純に「好き」だから
まずは自己紹介をお願いします。
横浜生まれ横浜育ちのウクレレ弾き語りシンガーソングライターの茉本奈々(マツモトナナ)です。
普段は会社員をしながら、週末には地元のお祭りやシニア施設などでウクレレ弾き語りをしたり、ウクレレ仲間と演奏会をしたりしてています。
ウクレレを始めたきっかけを教えてください。
20年くらい前に大磯ロングビーチで開催されていたウクレレピクニックというイベントでウクレレという楽器を知りました。
今思えば、ウクレレに呼ばれていたのかな?と思います。
無料チケットを貰ったので大磯ロングビーチに行ったところ、その日はウクレレピクニックというイベント開催のため、別途入場料が必要な日でした。
せっかく来たらかと入場料を払って中に入ったところ、プロの方はもちろんですが、一般参加の方も上手い下手関係なく、本当にみんなが楽しそうにウクレレを弾きながら歌っている様子に、「なんて素敵な楽器なのだろう。私もやってみたい!」と思いました。
その翌日の新聞折込広告で、たまたま会社近くの楽器屋さんでウクレレSALE販売をしていたので、そのまま仕事帰りに楽器屋さんに寄ってウクレレを購入したのが始まりです。
長年続けてこられた音楽活動の中で、印象に残っている出来事はありますか?
シニア施設に行った時に、私の歌で涙を流されている視察利用者の方をみて、私も感動してしまいました。
後日、施設の職員の方から「ご家族の方から、『今日は坂本九を歌ったよ』と話を聞き、なんだか少し安心しました。」と連絡をいただきました。少し認知症が始まった方なので、記憶を維持出来ていたことが、ご家族も嬉しかったんだと思います。歌ってすごい力があるんですね。
そんな連絡をいただいた時は、私のやっていることは、ただの趣味ではなくて、誰かの力になっていると、私の方が勇気を頂きました。

今年から“アーティスト”として活動を始めようと思ったきっかけを教えてください。
今まではカバー曲しか歌ってこなかったのですが、自分で曲を作るようになったことで、「アーティスト」と名乗る自信がついたことがキッカケです。
私よりも歌やウクレレが上手な人、もっとカッコいい曲を作る人、そんな方々でもアーティストとは名乗らずに、『趣味で音楽をやっています』という方は沢山いると思います。
【アーティスト】と名乗ると歌唱力やオリジナル曲の期待値が上がってしまうので、私なんかが【アーティスト】って名乗ってもいいのかな?という不安もありました。
でも自分で曲を作ることによって、ただ趣味として歌うのではなくて、誰かに私の想いを届けたい!私のことを知って欲しい!私の声を聞いて欲しい!そんな気持ちが湧き上がってきたので、アーティストと名乗らせていただくことにしました。
ご自身で作詞・作曲をするようになって、音楽との向き合い方に変化はありましたか?
私の曲は全部私の体験を元に歌詞を書いています。私は天邪鬼なので自分の気持ちを言葉で伝えることが苦手です。
今までは自分の気持ちに近い歌を探して歌うことをしていましたが、これからは自分が伝えたいこと、感じていることを自分のメロディに乗せて伝えていきたいです。
現在制作中のオリジナル楽曲には、どのような想いやテーマが込められていますか?
現在、【横浜】をテーマに作詞を進めています。
みんながイメージする横浜みなとみらいをテーマにした楽曲と、私が利用している沿線【根岸線】あるあるについてをまとめた曲を書いているところです。
茉本奈々さんが考える「音楽を楽しむ」とはどのようなことでしょうか?
上手さを競うことではなく、歌う時間そのものを味わうことかもしれません。
聴いてくれる人と気持ちを共有することや、誰かが「癒された」「また聴きたい」と感じてくれることでしょうか?
自分自身も肩の力を抜いて歌えることや一曲を通して、その瞬間の空気や感情を楽しむことかもしれません。

シルバー施設や地域のお祭りで演奏される中で感じる音楽の力とは何ですか?
記憶の呼び覚ましでしょうか?
利用者さん達が、まるで学生時代に戻ったかのように生き生きと歌われている姿を見ると、演奏している私も胸が熱くなります。
施設で演奏する時は必ず歌詞カードを全曲用意してお渡ししているのですが、歌われない利用者さんも、歌詞カードをジッと眺めておられます。
恐らく、昔の記憶を呼び起こしているのではないでしょうか?
ウクレレ講師として生徒さんと接する中で大切にしていることを教えてください。
私が生徒だった頃、練習が嫌いな生徒でした。10分早く教室に着いて、前回の復習をする、そんな感じです。
だから、私は宿題は出さないし、前回やったことを、すっかり忘れてしまっても怒りません。
ただ、毎回キチッと練習してくる生徒さんもいる為、だんだんグループの中で差がついてしまうという問題が発生してしまいますが、全員が必ず、何か一つ新しいことを学べるように工夫しています。
音楽活動を続ける原動力になっているものは何ですか?
単純に「好き」だからです。
続けられる原動力って、それ以外、私にはありません。
人生の中で音楽に救われた経験があれば教えてください。
何か嫌なことや、悲しいことがあった時は気持ちが明るくなる曲を聴いたり、歌ったりするようにしています。
横浜という街の好きなところや、音楽活動への影響はありますか?
横浜市は住民税が高いけれども、横浜に住んでいる人の殆どは横浜が大好きで、横浜から出たくないと思っていると思います。
横浜市歌は当然歌えますし、横浜開港祭のフィナーレを飾る市民合唱隊にも何度か出演しました。
それなりに自然があって、それなりに都会。そういうところが好きです。

50代から新たな挑戦を始めた今、感じていることはありますか?
私達世代の50歳って、まだまだこれからだと思うんです。年金だって、何歳から貰えるか分からない今だからこそ、いつまでも現役で、新しいことにチャレンジしていきたいです。
これからどんなアーティストになっていきたいと考えていますか?
他の人とは少し違う、何か面白いこと、何か新しいことを始めそうなアーティストになりたいです。
といっても具体的には思いつかないのですが、No1よりOnly1な存在でありたいと思います。
あとは地域や地元に密着したアーティストになりたいです。
まずは地域の人達に元気と笑顔をお届け出来る存在になれたら良いなと思います。
これからの日本はどんどん高齢化社会に向かっていますが、自分が高齢者と呼ばれるようになる頃には、あんなに元気でキュートなおばあちゃんになりたい!と思って貰えるアーティストになりたいです。
同世代で「何かを始めたい」と思っている方へメッセージをお願いします。
やらなくて後悔するよりも、やって後悔する方が、人生って楽しい!

茉本奈々(マツモトナナ)
会社員として働く傍ら、横浜市栄区やシニア施設を拠点に活動するウクレレ弾き語りアーティスト。
20年前にウクレレの楽しさを知り、近年自作曲を手がけたことを機に50歳でアーティストとして始動。
自身の体験や横浜市栄区キャラクターのたっちーくんをテーマにした曲作りを行う。「上手さを競うのではなく、その瞬間の空気や感情を楽しむこと」を軸に、世代を超えて誰かの心に寄り添う温かい音楽を届けている。